2008年03月07日

装いの心 6 和・洋 生地の極性について

天然、化学、再生と大きく分けることができます。

天然は 動物、植物のみ
化学は 合成 

です。

再生は植物をとかして 繊維素を作り出しファイバー(糸)、テキスタイル(布地)にします。
ポリノジックは 綿花の萼(ガク)を液状化(ビースコース)させた物体から糸を引き出します。わかりやすくはセルロース(繊維)、人絹、レーヨン、キュプラなどですが、テンセルも夾竹桃を再生したものです。
欧米ではリオセルと呼称されていて、韓国と日本がテンセルと表現しているようです。
同じ再生糸でもなぜ高いかですが、研究費がペイできないので製品高になり、高いと消費量が伸びないという繰り返しだからです。

再生繊維のなかでもなぜ肌触りのよさを感じるかは、分子の持つ水分量が大きいから人の肌になじみやすいのだと思います。

誰が開発したか? ですが、面白いことに 糸メーカーではないのです。
英国の塗料メーカーがペンキのひび割れを防ぐ目的でセルロースを入れたらひび割れ防止に効果が出ました。
それをテキスタイルとして応用できないかと研究費を投じましたが、支えきれず(元は英国の統治国だったからだと思いますが)、豪州に転売しました。
それでも完成をみることがなく、オランダに転売したそうです。
日常、私たちが身にまとっているテンセルは遠く長い旅の結晶糸なのです。

 
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2008年02月20日

ドライクリーニングとは 


水以外の揮発性を有する溶剤で洗うことを総じてドライクリーニングといわれ、反対がランドリー(水洗い)です。

時代の進化につれ物性も速いテンポで変わってきましたが、原点の石油が日本では普及しています。それ以外の溶剤では米国では依然としてパークが主流のようですが、一辺倒ではありません。ドライではかなり高いハードルとして法律が厳しいようです(発ガン物質として)。環境や健康面からそれぞれの国の法や考え方がまだ万国統一がされていません。
日本では普及率は低いようですが シリコンドライ、フルーツドライ、ソルカンドライなどがあります。
ソルカンドライはどうも代替エタンに近いのではとの風評です。
フルーツドライは名前通り柑橘系の植物油のようです。
シリコンは天然の珪素系から抽出した鉱油のようです。日常食している筍などが有しているシリコン(Si)に近いそうです。
ただし、どれをとってもすべてを満たす剤はないようです。水溶性の汗などが除去したいドライでは型崩れや色泣きはしませんが、何々が除去しきれないといったリスクが残ります。
単純ではないので難しいし面白いのかもわかりません。
私が過去 見聞した昭和時代の後期から平成の初期アメリカのIFI私立の会員制の研究所などは 繊維と溶剤と汚れ染抜き剤などの相関研究は進んでいるようでした。
ヨーロッパのオランダは溶剤と環境を重視していましたが、ドイツはさらに厳しいようでした。スイスでは溶剤による繊維のダメージなどインターナショナル向けの試験布をだしていました。今でも日本ではスイス製のピース物が採用されます。私的な観点からして総合的には、機と材と技、この3点は日本は遅れをとっていないと自負しています。
ユニークなのはスイスでした。ランドリーとドライクリーニング店と専門的に2分化されていました。ランドリー店では一切ドライはしないのです。ドライクリーニング店ではランドリー物は受け付けないのです。

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2008年01月21日

装いの心  黴(カビ)について

カビがはえやすい環境・条件
・温度 25℃〜27℃
・湿度 70%以上
カビは胞子で増える下等な生物です。

一種の細菌です。湿度の少ない場所にはほとんど生えません。
真夏、西日が照りつける場所等は湿度が適温でも繁殖しないのは、水分等の養分がとれないからです。
草木のように上下に成長する生物です。
上に5mmだとしたにも5mと風圧などに耐えながら、根から養分を摂取している菌ですが、
生存期間は短く、2週間くらいで枯渇します。
しかしながら根が残るので、これを私たちはカビとかカビ後として所見、処理をしています。
風呂場のモルタルの目地などでみることがあると思いますが、それは残った根の菌なのです。

カビ取り剤として市販されているものは、ほとんどが強いアルカリ液に塩素ガスを溶かしたものです(液化)。
これは対象物がモルタルだから使用できますが、衣類のメンテナンス業では使用の範疇が限られます。
色物は危険であると判断してください。
白物もセルローズ系に限られると理解してください。
・綿100%
・キプラ100%
・レーヨン100%
・アクリル100%
・ポリエステル100%
の5種類くらいに限られますが、落とし穴に気をつけてください。
繊維表示には、ものによってはJISの許容分がある点に十分注意してください。
つまり混紡などがあるからです。
一度 ミスマッチで黄変させるとなかなか元通りにならないものもあります。
まずはテストが必要です。
カビは胞子の種類により 白・黄・茶・赤・青・黒と6色くらいに分別できますが、色の薄いものほど抜けやすく、白・黄までは重炭酸ナトリウムで素人でも手法を覚えると簡単に抜くことができます。
カビの点の上に前述の粉体をのせて90度以上の熱湯を注ぐと消えますし、また濯ぎも中和も要なのです。
なぜか?
熱湯が中和と濯ぎを兼ねているからです。

重症のカビの処理は体験を重ねないと一挙には成功できないと思います。
この場合、カマンガ酸と酸性亜硫酸で鉄化させた後、蓚酸などで鉄分を除去します。
ただし、染めのあまいものは 色が抜ける可能性があります。

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2007年12月14日

装いの心 5 撥水と防水の違い

撥水とは・・・
文字の表現どおり、「水をはじく」メカニック(仕組み・構造)になってしまいます。
撥水加工の「剤」は化学合成された物質(フッ素樹脂やシリコン樹脂など)が主成分として取り込まれていますが、水を撥くのは物理的作用です。houymem.gif

 
 
 
  
 

水が布に直接触れずに、針の山先端を滑って流れるメカニックになっているのが撥水の原理ですが、
「剤」となると主な物質の成分は樹脂です。解っているものとしては フロン成分とシリコン成分などが主流のようです。
これらの樹脂の溶剤は、油脂や樹脂溶解性の強い有機溶剤ですので、密閉されたところや換気の悪い場所では作業しないよう 十分気をつけてください。
布地の表面に高密度な針の膜ができるので、呼吸器や肺の表面にも膜ができて 呼吸困難になった事例ももあります。スキー場では、若者が車中で使用して死に至りかけた例などもありますので、必ず使用の際は通気性のある場所、極力換気には注意してください。

また、科学的な接合作用として噴霧後はできるだけ当て布をして高い温度を加えてください。
接合接着効果の違いが必ず違ってきます。

撥水の効力が低下するのには2つの物理作業が働きます。
1つは先端が折れ曲がり、針の役割がなくなると、水がシャープに滑らなくなり、生地に解かされてしみこむようになってきます。
このような場合、一度高い温度の蒸気を吹き付けると熱の膨潤で樹脂が林立して再び効力が復元することがあります。

防水とは・・・
masume.gif

布地のブランク(カンゲキ)余地・余白を塗りつぶすのが原理原則作用です。
つまり、繊維の隙間を油脂分で埋め込んでしまうのが防水の物理作用です。
主剤としては、多くは古来より蝋分が本流ですが、今はビニール系で表面が被膜になっているものや合成ゴムなどで覆っているものが本流のようです。
そのようなものはドライクリーニングで劣化や溶解するものがあるので、取り扱いには十分注意してください。
欠点は、通気性がないので、衣類としては「ムレ」が生じます。
撥水は、摩擦脱落には弱いですが、着用・使用時に「ムレ」がありません。ただ、色物によっては少し色が濃くなるものもあるので、撥水防水の注文を受ける際には 色相の変化も伝えておくと後々のトラブル防止につながります。

posted by 倉さん at 13:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 装いの心

2007年11月17日

うどんの話

今日は 武蔵村山にいったので
村山かてうどん 里やま にてお昼をとってきました。
香川県からも客人が来ていて 讃岐うどんとどうか?聞いてみたのですが、村山のうどんもなかなか いけるようです。
私はてんぷら定食を食べました。
コーヒーも無料で なかなかお得なメニューでした。

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2007年11月16日

汚れとはいったい何なのか?


どんなメカニズムで付着して またどんな物質なのか?
外部より付着する場合、空気中の汚れの物質があります。


内部からは身体の汗などの分泌物などがあり、さらに放置しておくと異質になることがあり、それが酸化性の汚れに変わり、変色したり、素材を劣化させたりするので、こまめにクリーニングが必要かと思います。

 
汚れを分類すると、動、鉱、植物です。


水溶性物質と油溶性物質にも分別できますが、どちらとも判別しがたい両性物質もあります。

 

汚れを放置しておくと 両性物質に変わりやすく 落ちにくい場合があります。
例えば、柑橘系が有している物質としてペクチンがあり、これは目に見えず 臭いもあまり感じない物質で クリーニング後、現れてトラブルになることが 間々あります。


また、シルクについて、重量や目方で販売されている場合が多くあるので、中には増量、増白剤として鉛化物質が混入されてあり、それが原因となり、クリーニングの湿熱や保管中の条件によって 黄斑点状のシミとして あらわれることがあります。


こういうのもトラブルの要因の1つだと思ってください。

 
植物の多くは成分として油性を多分に含んでいるので油性処理から入るのがセオリーです。
posted by 倉さん at 10:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 装いの心

2007年11月02日

形態安定と形状記憶について(クリーニング品)

形態安定とは・・・
洗濯をしても 大きく型崩れや伸縮など洗濯のダメージによるシワなどがおきにくい加工が施された衣類品のことです。
仕掛けには2つの方法があります。
1つは樹脂で固めてしまう
もう1つはマイナス30℃のアンモニア液に浸漬をしてコットンのワイシャツ地などに科学的に改質をする方法です。
目いっぱい 伸縮をさせておき、洗濯の際、ものが乾いていく過程で 緩和収縮が生じないような改質がされているものです。

 

形状記憶とは・・・
変形したものが元の形に蘇える物理的なメカニックを有する物体とか物品です。
衣類の中には実際的には存在していません。
衣類メーカーの購買力UPのために 仕掛けられた言葉です。
気温の変化で色相の変わる衣類は短いスパンでみましたが 今はあまり見かけません。

※アンモニアの浸漬加工法は 一時流行しましたが、今はまったく見られません。
 (マーセル加工))

posted by 倉さん at 17:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 装いの心

2007年10月29日

洗うとなぜ汚れが落ちるのか?

学問的には浸透作用です。
織物、編物の構造や単糸に至る迄、水でも油でも通過するメカニックが浸透作用です。
水も油も一定の分詞の大きさがあり単糸や布地をたやすく通過できない強捻糸物もあるので、それらをたやすく通過させるのが洗剤や石鹸です。
洗剤や石鹸にはもうひとつの働きとして、水や油で落ちにくいもの、溶けにくいものを助けます。
 
洗溶剤でありながら、一方では足りないものを補う働きをする助剤が洗剤です。
切り離すことの出来ない相乗性があります。
早く落とす、よく落とすためには浸透作用を大きくすることです。
手段として、原始的と思われますが、実は学問上最も理想的な手段が垂直にたたく手法です。
韓国の洗濯風景を何かで見たことはありませんか?
小川の清流で石の上に品物を乗せて、パタンパタンとたたいていますね。浸透作用の原点です。
 
 micの染み抜きセクションで使用している、ソノフラシュウ超音波染み抜き器が将に浸透作用以外の何ものでもありません。機械的には横回転はもみ作用です。
従回転が落差式浸透作用です。
汚れが落ちる・落とす手段は、いかに浸透作用を大きくするかにかかっています。
 
次は汚れについてメカニックを記述します。
普段私達が汚れとか、シミとか漠然とした捕らえ方をしている物質には大別すると油分と水分ですが、中には混在している汚れや、シミがあります。それは繊維と汚れ・シミとの相乗関係が要因です。
例えば、分かり易い繊維としてウールがあります。にわか雨、夕立等で綿製品は早くぬれるが、ウールはしばらく水をはじく性質を本来保有しています。面とウールとは物性の違いがあります。
綿の表面も、芯部も、全てセルロースの紙質故、水も、油も、馴染みやすいのです。
ウールは若干表面が脂肪層で覆われているから少し位の水分は撥きますが、時間が経つと内部のたんぱく質の親水基が水と馴染むようになりますので完全に濡れてきます。例えば、ナイロン・アクリル・ポリエステルなどが濡れても直ぐ乾くのは親水基をほとんどもっていないからです。
これらを総じて公定水分量と称して学問上の数値で原子毎の極性値で表されています。
汚れの付着メカニックについて少し記述します。
 
大気の汚れ、自身の発汗物、汚れ物体との接触、喰いこぼしなどが代表的な汚れ方ですが、さらには静電気による吸着のメカニックもあります。繊維により起電しやすい原糸があります。また一般的にも普及している帯電防止剤も出回っていますが、公定水分量の多い原糸が起電しにくいのは湿度水分が常に電気を流しているからで、つまり帯電しないからです。
これらの現象を学問的には透電率の高低で判じられています。
 
 (油)
ドライクリーニングは全部と云っていいくらい、透電率が低い。つまり絶縁体です。
電気を透しにくい極性値物性故、ソープを必ず使用しています。ソープを直訳すると石鹸ですが、ドライクリーニングのソープは汚れの助剤と起電帯電させない二役をしているのですが、実はもう一役しています。油の中でも少し泡が出来ます。これをミセルと表現します。
水洗にも泡立ちが必要です。ミセルとは泡のことですが、親水基と親油基の2通りの泡があります。出て来た汚れをキャッチして再汚染・再付着させないことをミセルの形成と称します。水洗もドライも泡が必要です。
posted by 倉さん at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 装いの心

2007年10月05日

倉さんの横顔

123.jpg今日は特に記載することはないのですが、昨日講師として参加したクリーニングの講習会でとってもらった写真をちらり。
倉の素顔でございます。


 

posted by 倉さん at 11:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2007年10月01日

仕上げ、プレス、整形

進化するためには何事も基本の原理原則が大事です。
たとえば、仕上げ、プレス、整形と表現が3つあります。
総合的には通じ合っていますが、表現が違うようにそれぞれ少しだが相違点はあるが、今回はこの相違点には触れずに、基本の原理原則に触れてみますと、ノウハウとハウツーに二分されます。

ハウツーから先に触れてみると経験と体験です。
長期・中期・短期とかかわってきた時間があります。
時間や歳月で線引きすると、アバウトな面も生じてきますが そのもの仕事に打ち込んでいる精神や熱意などの心理効果を見なくてはなりません。
ただ、長く携わってきたからエキスパートかとは限りません。歳月は短くても前項で述べたように心理効果・プロセスが大事です。経験、体験などはとても大切なことですが、プロセスがもっと大事です。
熟練・熟達はプロセスを大事にしてきた者が この道を早く究めることができます。
ハウツーは以上の称に何が正しいのか、何が正しくないのかの線引きは実に曖昧です。

反面、ノウハウは学問上原理原則があり化学的・物理上否定できないものがほとんどです。
ハウツーについて一言付言しておきますと、当人がやっていることがまだやり方が当人には1番で正しい方法論かと思います。
なぜか学問上の原理・原則が必要ないからです。
たとえば、スラックスを仕上げる場合、右脚が先か、左脚が先か胴回りが先か、どちらでも 当人がやりやすく商品として顧客に満足していただければセオリーはまったく必要ないと思います。
但し先人達は自分なりの法則を作り、後輩たちが受け継いでいればそれはそれで良し でしょう。
よって ノウハウは学問的なセオリーを無視することはできません。自然科学は否定することができません。
常識は常に変わる機会があるから常識です。
自然科学とはほとんど無縁でファジーな現象です。

仕上げ、プレス、整形と3つの表現方法を前述したが、すべて学問上の理論が伴っています。
あなたなら何を選びますか?
くらさんは整形を選びます。

プレスは直訳上、圧えることです。
仕上げは出来上がることをさしている言葉です。
具合、不具合は人や客により判定が違います。整形は製造時により近い状態に整える形態です。
だから私は整形の表現が正しいように思います。
生地、布により圧えてはいけない商品もあります。
ブロード(Yシャツ)などは番手により務めて圧えたほうがよいものがあるが、同じYシャツでもシルクは圧えたら駄目です。
アイロンとは現代では仕上げをする器具の代名詞になっています。
アイロンかけといわれるように、器具だけではシワを伸ばしたい形を整えたりはできません。では、なぜアイロンをかけるとしわが伸びるのか端的に表現すると、蒸気の蒸発力で伸びるのです。
学問的に表現すると作用です。
作用を起こすためには手段が必要です。つまり水と熱がないと蒸気は発生しません。
多くの水分と高い熱源があれば作用が大きくなりSLにようなトレインが走ることができます。
(蒸気洗車)一口にアイロンがけといっても学問的には 曲げることのできない原理原則があります。
1.道具 2.手段 3.作用 で仕上げというセッションが成立しているのです。

posted by 倉さん at 11:37| Comment(0) | TrackBack(0) | クリーニングについて