学問的には浸透作用です。
織物、編物の構造や単糸に至る迄、水でも油でも通過するメカニックが浸透作用です。
水も油も一定の分詞の大きさがあり単糸や布地をたやすく通過できない強捻糸物もあるので、それらをたやすく通過させるのが洗剤や石鹸です。
洗剤や石鹸にはもうひとつの働きとして、水や油で落ちにくいもの、溶けにくいものを助けます。
洗溶剤でありながら、一方では足りないものを補う働きをする助剤が
洗剤です。
切り離すことの出来ない相乗性があります。
早く落とす、よく落とすためには浸透作用を大きくすることです。
手段として、原始的と思われますが、実は学問上最も理想的な手段が
垂直にたたく手法です。
韓国の洗濯風景を何かで見たことはありませんか?
小川の清流で石の上に品物を乗せて、パタンパタンとたたいていますね。浸透作用の原点です。
micの染み抜きセクションで使用している、ソノフラシュウ
超音波染み抜き器が将に浸透作用以外の何ものでもありません。機械的には横回転はもみ作用です。
従回転が落差式浸透作用です。
汚れが落ちる・落とす手段は、いかに浸透作用を大きくするかにかかっています。
次は汚れについてメカニックを記述します。
普段私達が汚れとか、シミとか漠然とした捕らえ方をしている物質には大別すると油分と水分ですが、中には混在している汚れや、シミがあります。それは繊維と汚れ・シミとの相乗関係が要因です。
例えば、分かり易い繊維としてウールがあります。にわか雨、夕立等で綿製品は早くぬれるが、ウールはしばらく水をはじく性質を本来保有しています。面とウールとは物性の違いがあります。
綿の表面も、芯部も、全てセルロースの紙質故、水も、油も、馴染みやすいのです。
ウールは若干表面が脂肪層で覆われているから少し位の水分は撥きますが、時間が経つと内部のたんぱく質の親水基が水と馴染むようになりますので完全に濡れてきます。例えば、ナイロン・アクリル・ポリエステルなどが濡れても直ぐ乾くのは親水基をほとんどもっていないからです。
これらを総じて公定水分量と称して学問上の数値で原子毎の極性値で表されています。
汚れの付着メカニックについて少し記述します。
大気の汚れ、自身の発汗物、汚れ物体との接触、喰いこぼしなどが代表的な汚れ方ですが、さらには静電気による吸着のメカニックもあります。繊維により起電しやすい原糸があります。また一般的にも普及している帯電防止剤も出回っていますが、公定水分量の多い原糸が起電しにくいのは湿度水分が常に電気を流しているからで、つまり帯電しないからです。
これらの現象を学問的には透電率の高低で判じられています。
(油)
ドライクリーニングは全部と云っていいくらい、透電率が低い。つまり絶縁体です。
電気を透しにくい極性値物性故、ソープを必ず使用しています。ソープを直訳すると石鹸ですが、ドライクリーニングのソープは汚れの助剤と起電帯電させない二役をしているのですが、実はもう一役しています。油の中でも少し泡が出来ます。これをミセルと表現します。
水洗にも泡立ちが必要です。ミセルとは泡のことですが、親水基と親油基の2通りの泡があります。出て来た汚れをキャッチして再汚染・再付着させないことをミセルの形成と称します。水洗もドライも泡が必要です。